鋼の錬金術師 Wiki
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'''アルフォンス・エルリック'''は、[[荒川弘]]の漫画『[[鋼の錬金術師]]』、及びそれを原作としたテレビアニメに登場する架空の人物。
 
'''アルフォンス・エルリック'''は、[[荒川弘]]の漫画『[[鋼の錬金術師]]』、及びそれを原作としたテレビアニメに登場する架空の人物。
   
TVアニメ版([[鋼の錬金術師 (アニメ)|第1作]]、[[鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST|FULLMETAL ALCHEMIST]]共通)、[[劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者|劇場版]]共に声優は[[釘宮理恵]]。[[ドラマCD]]第一弾の声優は[[日下ちひろ]]。
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TVアニメ版([[鋼の錬金術師 (アニメ)|2003年版]]、[[鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST|2009年版]]共通)、劇場版([[劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者|2005年版]]、[[鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星|2011年版]]共通)共に声優は[[釘宮理恵]]。[[ドラマCD]]第一弾の声優は[[日下ちひろ]]。
   
 
{{ネタバレ|アルフォンス・エルリック}}
 
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10歳の時、亡くなった母を生き返らせようとして兄と共に人体錬成を行うが失敗。術のリバウンドにより肉体の全てを「真理の扉」に「持って行かれ」失ったが、兄が自身の右腕を対価に魂だけを真理から取り戻し、鎧(父のコレクションの1つ)に定着させたことで一命を取り留める。以降、空の鎧を身体として兄と2人、元の身体に戻る手段を求めて旅を続けている。
 
10歳の時、亡くなった母を生き返らせようとして兄と共に人体錬成を行うが失敗。術のリバウンドにより肉体の全てを「真理の扉」に「持って行かれ」失ったが、兄が自身の右腕を対価に魂だけを真理から取り戻し、鎧(父のコレクションの1つ)に定着させたことで一命を取り留める。以降、空の鎧を身体として兄と2人、元の身体に戻る手段を求めて旅を続けている。
モデルは[[マイケル・J・フォックス]]
 
   
 
== 人物 ==
 
== 人物 ==
 
=== 身体 ===
 
=== 身体 ===
魂を鎧に定着させた身体であり、そのため食事や睡眠は不要、肉体的疲労もなく、[[視覚]]・[[聴覚]]以外の感覚や三大欲求といったものも存在しない。また全身が鎧という外見から、初見の人から「鋼の錬金術師 エドワード・エルリック」と間違われることが多い(そのつど訂正している)。
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魂を鎧に定着させた身体であり、そのため食事や睡眠は不要、肉体的疲労もなく、[[視覚]]・[[聴覚]]以外の感覚や三大欲求も存在しない。また全身が鎧という外見から、初見の人から「鋼の錬金術師 エドワード・エルリック」と間違われることが多い(そのつど訂正している)。
 
鎧の身体は作中で何度か破損しており、そのたびにエドに修復してもらっているが、その特殊性ゆえ他の物質と混ぜることはできず、鎧を薄くすることで修復していた。
 
   
 
アルの魂は、兄の血液で書かれた血印を仲立ちとして鎧と結び付けられている。この血印が損なわれた場合、魂は鎧から剥離、消失してしまう。また人造人間が実父・ホーエンハイムの分身に近い存在であることから、プライドに血印に直接干渉され、意思を操られたことがある。
 
アルの魂は、兄の血液で書かれた血印を仲立ちとして鎧と結び付けられている。この血印が損なわれた場合、魂は鎧から剥離、消失してしまう。また人造人間が実父・ホーエンハイムの分身に近い存在であることから、プライドに血印に直接干渉され、意思を操られたことがある。
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鎧の身体は作中で何度か破損しており、そのたびにエドに修復してもらっているが、その特殊性ゆえ他の物質と混ぜることはできず、鎧を薄くすることで修復していた。
   
 
自分と同じく鎧に魂を定着させた姿で生きるナンバー66と対峙した際には、鎧の身体という自身の存在証明について深く悩んだこともあり、その後ナンバー66の肉体に関連して、魂が定着された鎧という現状は、拒絶反応という限界がいつ訪れてもおかしくない「時限爆弾付きの身体」であると知る。物語途中から拒絶反応らしき現象を起こし、意識を失う現象が起こるようになり、しかもその間隔もだんだんと短くなっている。
 
自分と同じく鎧に魂を定着させた姿で生きるナンバー66と対峙した際には、鎧の身体という自身の存在証明について深く悩んだこともあり、その後ナンバー66の肉体に関連して、魂が定着された鎧という現状は、拒絶反応という限界がいつ訪れてもおかしくない「時限爆弾付きの身体」であると知る。物語途中から拒絶反応らしき現象を起こし、意識を失う現象が起こるようになり、しかもその間隔もだんだんと短くなっている。
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また、グリードやオリヴィエの影響を受け、常識に縛られず、時に等価交換の法則を打ち破ることも大事だと知る。後にキンブリーと闘った際には、キンブリーから元の肉体を取り戻す為に他者を切り捨てることを説かれるもこれを拒否し、皮肉を込めて等価交換の原則を唱えるキンブリーに「原則に縛られずに可能性を求めるのも人類の進歩には必要だと思うよ?」と言い返している。
 
また、グリードやオリヴィエの影響を受け、常識に縛られず、時に等価交換の法則を打ち破ることも大事だと知る。後にキンブリーと闘った際には、キンブリーから元の肉体を取り戻す為に他者を切り捨てることを説かれるもこれを拒否し、皮肉を込めて等価交換の原則を唱えるキンブリーに「原則に縛られずに可能性を求めるのも人類の進歩には必要だと思うよ?」と言い返している。
   
肉体の件を除くと最大の望みは「彼女を作ること」であり、異性への興味はエド以上にある(本人もかなりマセている。幼少時にはウィンリィに恋心を抱いていたものの現在は身を引いており、時々からかいながらも兄とウィンリィの恋を応援している。作中ではメイ・チャンに想いを寄せられており、また小説やゲームでも彼に恋心を寄せる女の子が登場するなど、作者公認の「天然タラシ」となっている。
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肉体の件を除くと最大の望みは「彼女を作ること」であり(おまけ漫画では「モテモテウハウハハーレムアルフォンス王国建国」という願いを掲げている)、異性への興味はエド以上にあり、また本人もかなりマセている。幼少時にはウィンリィに恋心を抱いていたものの現在は身を引いており、時々からかいながらも兄とウィンリィの恋を応援している。作中ではメイ・チャンに想いを寄せられており、また小説やゲームでも彼に恋心を寄せる女の子が登場するなど、作者公認の「天然タラシ」となっている。
   
 
大の猫好きで、鎧の中で猫を飼おうとして兄に怒られる事もしばしば。ちなみに鎧の中には、女性と猫しか入れないと決めている。
 
大の猫好きで、鎧の中で猫を飼おうとして兄に怒られる事もしばしば。ちなみに鎧の中には、女性と猫しか入れないと決めている。
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当初は他の錬金術師同様、錬金術を行う際に錬成陣を書く道具を必要としていた。しかし真理の扉に関する調査・考察を進めていくうちに、「支払った通行料」が兄やイズミよりも多い事や、(兄の力を借りたとは言え)自身も真理の扉から帰ってきた事に考えが及ぶ。そしてデビルズネストの地下で、鎧の中に匿っていたマーテルがブラッドレイに殺された際、血印に彼女の血を浴びた事を契機に真理の扉の中で見たものを思い出し、以後は錬成陣なしで錬金術を発動できるようになった。
 
当初は他の錬金術師同様、錬金術を行う際に錬成陣を書く道具を必要としていた。しかし真理の扉に関する調査・考察を進めていくうちに、「支払った通行料」が兄やイズミよりも多い事や、(兄の力を借りたとは言え)自身も真理の扉から帰ってきた事に考えが及ぶ。そしてデビルズネストの地下で、鎧の中に匿っていたマーテルがブラッドレイに殺された際、血印に彼女の血を浴びた事を契機に真理の扉の中で見たものを思い出し、以後は錬成陣なしで錬金術を発動できるようになった。
   
大きな鎧を身体として用いる事で常人より遥かに長いリーチと軽いフットワークを持ち、痛覚や疲労といった肉体的なハンデも存在しないことから、肉弾戦において大きなアドバンテージを備えている。物語序盤は体術のみで戦う場面が多かったが、上記のように錬成陣を書く必要が無くなってからは体術と錬金術を併用する事が増え、終盤では賢者の石を駆使してプライドとキンブリーの2人を相手取る活躍を見せた。
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大きな鎧を身体とる事で常人より遥かに長いリーチと軽いフットワークを持ち、加えて痛覚や疲労存在しないなど、肉弾戦において大きなアドバンテージを有する。物語序盤は体術のみで戦う場面が多かったが、上記のように錬成陣を書く必要が無くなってからは体術と錬金術を併用する事が増え、終盤では賢者の石を駆使してプライドとキンブリーの2人を相手取る活躍を見せた。
   
エド「俺は昔から、あいつ(アル)に兄弟ゲンカで勝てたことがない」という発言り、体術に関しては元々アルの方が上だった模様。アルが錬成陣なしで錬金術使えるようになった際には、エドは弟に全ての面(身長含む)で超えられたと酷くショックを受けていた(「次回から鎧の錬金術師が始まります」と呟くほど)。
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エド「俺は昔から、あいつ(アル)に兄弟ゲンカで勝てたことがない」と発言しており、体術に関しては元々アルの方が上だった模様。アルが錬成陣なしで錬金術使えるようになると、エドは弟に全ての面(身長含む)で超えられたと酷くショックを受けていた(「次回から鎧の錬金術師が始まります」と呟くほど)。
   
 
== 物語の結末 ==
 
== 物語の結末 ==
お父様との最終決戦の際、の猛攻からメイを庇って鎧のほとんど砕かれ行動不能に陥るが、同じく右腕を砕かれ身動きの取れないエドを救うため、かつて自分の魂の代価となったエドの生身の右腕を、逆に自分の魂と引き換えに錬成する。自身は再度真理の扉の前に飛ばされ、待機していた自分の肉体に戻ることに成功。そして戦いを終えて迎えに来たエドと共に、生身で現実世界に帰還を果たす。戻ったばかりの頃は肉体が衰えていたため、歩くことにも杖が要るなど苦労していた
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お父様との最終決戦の際、お父様の猛攻からメイを庇って鎧が大破、行動不能に陥るが、機械鎧の右腕を砕かれ身動きの取れないを救うため、かつて自分の魂の代価となったエドの生身の右腕を、逆に自分の魂と引き換えに錬成する。
   
一方、最終決戦で大破された鎧の体リゼンブールのロックベル家に郵送され、頭部以外は肉体を取り戻したアルフォンスの意向もあって機械鎧の材料にされた(頭部デンによって持ち去られたが、後日エドたち見つけたときには小鳥の巣箱代わりに使われていがわかり、そのままにされた
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これにより自身の魂は真理の扉の前に飛ばされ、自身の本当の肉体と合一する。そして戦いを終えて迎えに来たエドと共に、生身で現実世界に帰還を果たす(戻ったばかりの頃は筋肉が衰えていたため、歩くことにも杖が要るなど苦労していた)。一方、最終決戦で大破た鎧は後にロックベル家に郵送され、アル自身の意向から機械鎧の材料にされた(頭部のみデンに持ち去られたが、後日エドが小鳥の巣箱代わりに使われていを発見、そのままにしている)
   
その約2年後、メイのもとで錬丹術を、そしてそのほかのあらゆる学問を身につけるべく、ザンパノとジェルソを伴い東の地に旅立つ。最終回の無数の写真の中には、エド一家や成長したメイと一緒に写っている。
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最終決戦から約2年後、メイのもとで錬丹術を、そしてそのあらゆる学問を身につけるべく、ザンパノとジェルソを伴い東に旅立つ。また最終回の無数の写真の中には、エド一家や成長したメイと一緒に写っている。
   
なお、エドは自分の扉を失ったため錬金術使えなくなったが、アルの扉は健在であるため現在でも真理の扉を見た状態のままで錬金術使もの推定される。
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なお、エドは錬金術使えなくなったが、アルの真理の扉はしており、物語終了時点でも真理の扉を見た状態のままで錬金術使用できると思われる。
   
== アニメ2003版(旧アニメ)の設定 ==
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== アニメ2003版(旧アニメ)の設定 ==
[[キーパーソン]]として活躍する。しかし、エドと同じ道を歩みつつも精神面で自立している原作と違い、兄同様に[[トラウマ]]が多くあり、[[ブラザーコンプレックス]]が濃く描かれている。トリシャの人体錬成は、原作では兄弟合意の上で行われたものだったが、アニメ2003年版のアルは実際に行う瞬間ですらも躊躇し続けており、直前にエド説明されるまで具体的な錬成方法知らされいないほど人体錬成について消極的だった。
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[[キーパーソン]]として活躍する、エドと同じ道を歩みつつも精神面で自立している漫画と違い、[[ブラザーコンプレックス]]が濃く描かれている。の人体錬成は、漫画では兄弟合意の上で行われたが、アニメ2003年版のアルは錬成直前になって初めてエドから錬成の説明を受けおり、錬成についてはその瞬間まで躊躇し続けていた。
   
であるという共通点から傷の男(スカー)にシンパシーを抱いており、を殺そうとし、他にも大勢を殺害してき者だという事を知りながら親交を深め、「さん」付けで呼んでいた。エドが傷の男(スカー)と衝突しそうな時には傷の男(スカー)の方の味方について彼かばおうとする事もあった。
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一方で弟という共通点から傷の男(スカー)にシンパシーを抱いており、彼がエドを殺そうとした張本人でありながら親交を深め、「さん」付けで呼んでいた。エドが傷の男と衝突しそうったとき、傷の男をおうとする事もあった。
 
リオールで傷の男(スカー)と共にキンブリーと交戦し、キンブリーは傷の男に倒されるが、キンブリーは死の間際にアルを爆弾へと錬成してしまう。アルを救う為に傷の男は、自分とリオールに突入した7000人の兵士の魂を対価として賢者の石を錬成し、アルを賢者の石そのものに変える。その後、アルはと共に賢者の石を狙うホムンクルスの手から逃げ続けるも、タッカーの罠にはまり、結果エンヴィーによってダンテの地下都市へと攫われる。地下都市では死んだエドを生き返らせるために数万人(元々スカーの右手に宿っていた魂も含めて)の命の宿る賢者の石である自身を代価にしてエドを人体錬成することに成功。しかしったエドは自身と自分達の旅してきた4年間を代価にアルを錬成し、アルは10歳の肉体人体錬成を行った以後の記憶を全て失った状態で蘇る。その後エドに会えることを信じてイズミの修行を受ける。
 
   
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リオールで傷の男と共にキンブリーと交戦し、キンブリーは傷の男に倒されるが、キンブリーは死の間際にアルを爆弾へと錬成してしまう。アルを救う為、傷の男は自身とリオールに突入した7000人の兵士の魂を対価として賢者の石を錬成し、アルを賢者の石そのものに変える。
OVAにて劇場版後の世界が描かれ、エド(もしくはアル)の孫たちの中にウィンリィに酷似した人物がいることから、現実世界のウィンリィとエドもしくはアルが結婚した可能性がある(その際、アル似の孫が「アルおじいちゃんからのプレゼント」と話していることから、長生きしていることが窺える)。
 
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その後、アルはエドと共に賢者の石を狙うホムンクルスの手から逃げ続けるも、タッカーの罠にはまり、エンヴィーによってダンテの地下都市へと攫われる。地下都市では死んだエドを生き返らせるため賢者の石である自身を代価にしてエドを人体錬成することに成功するがったエドは自身と自分達の旅してきた4年間を代価にアルを錬成し、アルは10歳の肉体、かつ人体錬成を行ってからの記憶を全て失った状態で蘇る。その後エドに会えることを信じてイズミの修行を受ける。
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OVAにて劇場版後の世界が描かれ、エド(もしくはアル)の孫の中にウィンリィに酷似した人物がいることから、現実世界のウィンリィとエドもしくはアルが結婚した可能性がある(その際、アル似の孫が「アルおじいちゃんからのプレゼント」と話していることから、長生きしていることが窺える)。
   
 
アルを演じた[[釘宮理恵]]曰く『がらんどうの鎧の体から声を発する』という演出意図から、初期の収録では口に空き缶を当てていたらしい。後に[[エフェクト]]加工に変更されるが、釘宮の出演分だけアフレコブース内の別ブースで収録していた(収録自体は他の出演者と一緒に行っている)というエピソードがある。この収録方法はアニメ2009年版でも同じである。
 
アルを演じた[[釘宮理恵]]曰く『がらんどうの鎧の体から声を発する』という演出意図から、初期の収録では口に空き缶を当てていたらしい。後に[[エフェクト]]加工に変更されるが、釘宮の出演分だけアフレコブース内の別ブースで収録していた(収録自体は他の出演者と一緒に行っている)というエピソードがある。この収録方法はアニメ2009年版でも同じである。
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2013年5月29日 (水) 22:35時点における最新版

鋼の錬金術師 > 鋼の錬金術師の登場人物一覧 > アルフォンス・エルリック
Alphonse-elric-2

アルフォンス・エルリックは、荒川弘の漫画『鋼の錬金術師』、及びそれを原作としたテレビアニメに登場する架空の人物。

TVアニメ版(2003年版2009年版共通)、劇場版(2005年版2011年版共通)共に声優は釘宮理恵ドラマCD第一弾の声優は日下ちひろ

テンプレート:ネタバレ

概要[]

エドワード・エルリックの弟で、本作のもう1人の主人公。通称「アル」。大陸暦1900年生まれで、物語開始時点では14歳。アメストリス国の東部の街・リゼンブール出身。

父はヴァン・ホーエンハイム、母はトリシャ・エルリック。ホーエンハイムとトリシャが事実婚である為、母方の姓を名乗っている。

10歳の時、亡くなった母を生き返らせようとして兄と共に人体錬成を行うが失敗。術のリバウンドにより肉体の全てを「真理の扉」に「持って行かれ」失ったが、兄が自身の右腕を対価に魂だけを真理から取り戻し、鎧(父のコレクションの1つ)に定着させたことで一命を取り留める。以降、空の鎧を身体として兄と2人、元の身体に戻る手段を求めて旅を続けている。

人物[]

身体[]

魂を鎧に定着させた身体であり、そのため食事や睡眠は不要、肉体的疲労もなく、視覚聴覚以外の感覚や三大欲求も存在しない。また全身が鎧という外見から、初見の人から「鋼の錬金術師 エドワード・エルリック」と間違われることが多い(そのつど訂正している)。

アルの魂は、兄の血液で書かれた血印を仲立ちとして鎧と結び付けられている。この血印が損なわれた場合、魂は鎧から剥離、消失してしまう。また人造人間が実父・ホーエンハイムの分身に近い存在であることから、プライドに血印に直接干渉され、意思を操られたことがある。

鎧の身体は作中で何度か破損しており、そのたびにエドに修復してもらっているが、その特殊性ゆえ他の物質と混ぜることはできず、鎧を薄くすることで修復していた。

自分と同じく鎧に魂を定着させた姿で生きるナンバー66と対峙した際には、鎧の身体という自身の存在証明について深く悩んだこともあり、その後ナンバー66の肉体に関連して、魂が定着された鎧という現状は、拒絶反応という限界がいつ訪れてもおかしくない「時限爆弾付きの身体」であると知る。物語途中から拒絶反応らしき現象を起こし、意識を失う現象が起こるようになり、しかもその間隔もだんだんと短くなっている。

ちなみにアルの本当の肉体は、真理の扉の前に幽閉されているような形で存在している。食事や睡眠は一切摂っていないが、兄と精神が混在しており、最低限の栄養・睡眠については兄から吸い取る形で確保されている(ただし必要最低限しか供給されていないため、肉体はかなり衰弱しており、アル自身は実際に肉体と対面した際「骨と皮ばかりで立っているのがやっとじゃないか」と発言している)。

性格[]

兄のエドと違い、基本的に温和で優しい。兄のことを誰よりも理解し、気にかけている。血気盛んな兄のフォローをしながら旅をしてきたせいか年齢の割に大人びた面が目立つが、一方で感情表現も多く、兄のボケに対して容赦ないツッコミを入れたり、「子供として扱われる」「頭をなでられる」ことを喜ぶ年相応な一面もある。無機質な姿であるが、顔(兜)を『ハムスターの研究レポート』のハムスターのように簡略化して書かれることも多く、そのため表情は豊かである。単行本14巻の初回特典のラフ画集によれば、平時だと茶化しタイプらしい。

ナンバー66との接触を経て自らが「エドによって作られた存在なのでは?」との疑念を抱き、その悩みをエドに当り散らすなど、当初は精神的にやや弱い面も見られたが、ラストとの戦いの中で、自分たちに関わった人を死なせない為、守るべき者の為に戦うことを決意し、精神的に大きく成長を遂げた。後に真理の扉の前で自身の本当の肉体と対面した際には、肉体があまりに衰弱していたことから、「お父様」の計画成就を阻止するために鎧のまま現実世界へ戻ることを選択している。

また、グリードやオリヴィエの影響を受け、常識に縛られず、時に等価交換の法則を打ち破ることも大事だと知る。後にキンブリーと闘った際には、キンブリーから元の肉体を取り戻す為に他者を切り捨てることを説かれるもこれを拒否し、皮肉を込めて等価交換の原則を唱えるキンブリーに「原則に縛られずに可能性を求めるのも人類の進歩には必要だと思うよ?」と言い返している。

肉体の件を除くと最大の望みは「彼女を作ること」であり(おまけ漫画では「モテモテウハウハハーレムアルフォンス王国建国」という願いを掲げている)、異性への興味はエド以上にあり、また本人もかなりマセている。幼少時にはウィンリィに恋心を抱いていたものの現在は身を引いており、時々からかいながらも兄とウィンリィの恋を応援している。作中ではメイ・チャンに想いを寄せられており、また小説やゲームでも彼に恋心を寄せる女の子が登場するなど、作者公認の「天然タラシ」となっている。

大の猫好きで、鎧の中で猫を飼おうとして兄に怒られる事もしばしば。ちなみに鎧の中には、女性と猫しか入れないと決めている。

能力[]

錬金術師の父を持った影響か、幼少の時にはエドと共に錬金術の初歩を独学で修得していた。そして8歳の頃、兄と共にイズミ・カーティスの下で本格的に錬金術を学び、更に高度な錬金術を身につける。錬金術は兄同様、ラジオの修理から武器の錬成まで幅広いバリエーションを誇っており、技術に関しては兄に若干劣るものの、国家錬金術師に匹敵する程の高い実力を有する(ただし禁忌を犯した鎧の身体であるため、国家錬金術師の資格は取得していない)。

当初は他の錬金術師同様、錬金術を行う際に錬成陣を書く道具を必要としていた。しかし真理の扉に関する調査・考察を進めていくうちに、「支払った通行料」が兄やイズミよりも多い事や、(兄の力を借りたとは言え)自身も真理の扉から帰ってきた事に考えが及ぶ。そしてデビルズネストの地下で、鎧の中に匿っていたマーテルがブラッドレイに殺された際、血印に彼女の血を浴びた事を契機に真理の扉の中で見たものを思い出し、以後は錬成陣なしで錬金術を発動できるようになった。

大きな鎧を身体とする事で常人より遥かに長いリーチと軽いフットワークを持ち、加えて痛覚や疲労が存在しないなど、肉弾戦において大きなアドバンテージを有する。物語序盤は体術のみで戦う場面が多かったが、上記のように錬成陣を書く必要が無くなってからは体術と錬金術を併用する事が増え、終盤では賢者の石を駆使してプライドとキンブリーの2人を相手取る活躍を見せた。

エドは「俺は昔から、あいつ(アル)に兄弟ゲンカで勝てたことがない」と発言しており、体術に関しては元々アルの方が上だった模様。アルが錬成陣なしで錬金術を使えるようになると、エドは弟に全ての面(身長含む)で超えられたと酷くショックを受けていた(「次回から鎧の錬金術師が始まります」と呟くほど)。

物語の結末[]

お父様との最終決戦の際、お父様の猛攻からメイを庇って鎧が大破、行動不能に陥るが、機械鎧の右腕を砕かれて身動きの取れない兄を救うため、かつて自分の魂の代価となったエドの生身の右腕を、逆に自分の魂と引き換えに錬成する。

これにより自身の魂は真理の扉の前に飛ばされ、自身の本当の肉体と合一する。そして戦いを終えて迎えに来たエドと共に、生身で現実世界に帰還を果たす(戻ったばかりの頃は筋肉が衰えていたため、歩くことにも杖が要るなど苦労していた)。一方、最終決戦で大破した鎧は後にロックベル家に郵送され、アル自身の意向から機械鎧の材料にされた(頭部のみデンに持ち去られたが、後日エドが小鳥の巣箱代わりに使われているのを発見、そのままにしている)。

最終決戦から約2年後、メイのもとで錬丹術を、そしてその他あらゆる学問を身につけるべく、ザンパノとジェルソを伴い東に旅立つ。また最終回の無数の写真の中には、エド一家や成長したメイと一緒に写っている。

なお、エドは錬金術を使えなくなったが、アルの真理の扉は存在しており、物語終了時点でも真理の扉を見た状態のままで錬金術を使用できると思われる。

アニメ2003年版(旧アニメ)の設定[]

キーパーソンとして活躍するが、エドと同じ道を歩みつつも精神面で自立している漫画と違い、ブラザーコンプレックスが濃く描かれている。母の人体錬成は、漫画では兄弟の合意の上で行われたが、アニメ2003年版のアルは錬成直前になって初めてエドから錬成の説明を受けており、錬成についてはその瞬間まで躊躇し続けていた。

一方で弟という共通点から傷の男(スカー)にシンパシーを抱いており、彼がエドを殺そうとした張本人でありながら親交を深め、「さん」付けで呼んでいた。エドが傷の男と衝突しそうになったとき、傷の男を庇おうとする事もあった。

リオールで傷の男と共にキンブリーと交戦し、キンブリーは傷の男に倒されるが、キンブリーは死の間際にアルを爆弾へと錬成してしまう。アルを救う為、傷の男は自身とリオールに突入した7000人の兵士の魂を対価として賢者の石を錬成し、アルを賢者の石そのものに変える。

その後、アルはエドと共に、賢者の石を狙うホムンクルスの手から逃げ続けるも、タッカーの罠にはまり、エンヴィーによってダンテの地下都市へと攫われる。地下都市では死んだエドを生き返らせるため、賢者の石である自身を代価にしてエドを人体錬成することに成功するが、蘇ったエドは自身と自分達の旅してきた4年間を代価にアルを錬成し、アルは10歳の肉体、かつ人体錬成を行ってからの記憶を全て失った状態で蘇る。その後はエドに会えることを信じてイズミの修行を受ける。

OVAにて劇場版後の世界が描かれ、エド(もしくはアル)の孫の中にウィンリィに酷似した人物がいることから、現実世界のウィンリィとエドもしくはアルが結婚した可能性がある(その際、アル似の孫が「アルおじいちゃんからのプレゼント」と話していることから、長生きしていることが窺える)。

アルを演じた釘宮理恵曰く『がらんどうの鎧の体から声を発する』という演出意図から、初期の収録では口に空き缶を当てていたらしい。後にエフェクト加工に変更されるが、釘宮の出演分だけアフレコブース内の別ブースで収録していた(収録自体は他の出演者と一緒に行っている)というエピソードがある。この収録方法はアニメ2009年版でも同じである。

その他[]


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